ソフトバンクは2021年3月にLINE(ライン)と連携し新ブランドを立ち上げる。
その名も『ソフトバンクonLINE』。
ソフトバンクがなぜ新ブランドを立ち上げたのか。
それは言わずもがな、ドコモの新ブランド『ahamo(アハモ)』への対抗するためだ。
ドコモが2021年3月から開始する『ahamo(アハモ)』は、定額¥2,980円(税別)で20GBもの通信量を使うことができる今一番注目されている通信サービスだ。
これに対し最初に勝負を挑んできたのはドコモ回線を利用したMVNO「日本通信」だった。
ahamo(アハモ) VS 日本通信
そこにソフトバンクがLINEと手を組み、月額¥2,980円(税別)で20GBの通信量が使える新サービスを放り込んできた。
これによって通信業界はまさに群雄割拠の戦国時代に突入したと言っても過言ではない。
ソフトバンクから発表された新ブランド『ソフトバンクonLINE』。ahamo(アハモ)と同時期にあたる2021年3月からサービスを開始する予定らしいがその内容に注目してみよう。
現在、ahamo(アハモ)の通信サービスに最も近く、ライバル視されているのは「日本通信」だろう。
「ahamo(アハモ)」、「日本通信」、「ソフトバンクonLINE」の3ブランドにおける通信サービスを簡単に表にまとめてみるとこんな感じだ。
項 目 | 日本通信 | ドコモ | ソフトバンク |
---|---|---|---|
名称 | SSDプラン | ahamo(アハモ) | ソフトバンクonLINE(仮) |
通信料金 | 月額¥1,980 | 月額¥2,980 | 月額¥2,980 |
通信量 (月) | 20GB※ (※2021年3月迄は16GB) | 20GB | 20GB |
通信量 追加・料金 (1GB) | ¥250 1~30GB迄 | ¥500 | ¥500 |
通話料金 | 30秒¥10 | 30秒¥20 | 30秒¥20 |
通信帯域 | 4G/LTEのみ | 4G・5G | 4G・5G |
回線 | ドコモ | ドコモ | ソフトバンク |
解約金 | なし | なし | 不明 |
SMS | 70文字まで¥3 | 70文字まで¥3 | 1通¥3 |
キャリアメール | なし | あり | あり |
特徴 | 70分 通話無料 | 5分間 通話無料 | LINE通信 無料 |
ソフトバンクonLINEのサービスがahamo(アハモ)よりも優っている点として、今はっきりしていることはLINEを利用したときの通信量がノーカウントであるということ。
ソフトバンクonLINEではLINEを使う分には通信量は一切消費しないため、LINEを使ったメッセージや通話が使い放題ということになる。
日頃からLINEをよく使っている人にとってソフトバンクonLINEの通信サービスはahamo(アハモ)よりも良いサービスと言えるだろう。
ahamo(アハモ)に対抗して今人気急上昇であるMVNO「日本通信」。
上記の比較表からも分かるように、日本通信のSSDプランの通信サービスは、通信料金、通話料金ともにahamo(アハモ)やソフトバンクonLINEのサービスよりも安くてコストパフォーマンスが優っていることは明白。
それでいながら、ソフトバンクonLINEが日本通信よりも唯一優っている点は『5G』通信に対応していることだ。
ソフトバンクonLINEは、ドコモやauと並ぶMNOである利点を活かし、5G通信ができることがメリット。
しかし使える通信量が20GBと、5G通信を利用するには少ないのが心もとない。
ソフトバンクが新たに立ち上げた『ソフトバンクonLINE』という新ブランドは、ソフトバンクの中でどのような位置づけおのブランドになるのだろうか。
実は今回発表された『ソフトバンクonLINE』は、ソフトバンクが“5Gを常識に”というテーマのもとに立ち上げた3つの新料金プランのうちの1つに該当する。
ソフトバンクが新たに立ち上げた3つの新サービスがこちら。
この3つの新プランのうち『1.オンライン専用ブランド』のサービスが“ソフトバンクonLINE”にあたる。
一番気になるのが月額の料金である。
ソフトバンクonLINEの料金はドコモもahamo(アハモ)を意識した内容になっており、4G、5Gの通信を月20GBまで税別¥2,980円で利用できる内容となっている。
さらに5分間の無料通話、eSIMにも対応している。
5分以上通話される方のために、月¥1,000円の追加料金で国内通話し放題プランも用意されている。
通信料金、そして通話に関するプランの中身はほぼドコモのahamo(アハモ)と同じと言ってよいだろう。
唯一ドコモのahamo(アハモ)と差別化されているサービスは、LINEでの通信量がノーカウントであるということ。
つまりLINEを使った「メッセージ」や「画像の添付」、「動画の送受信」に関して通信量を一切消費しないという点が優れている。
まさにLINEモバイルの最大のメリットをそのままソフトバンクが吸収した感じとなっている。
月々の通信量20GBを超過した場合は、通信速度が『1Mbps』まで制限される。これもドコモのahamo(アハモ)と同様の制限内容である。
20GBの通信量を超過し通信速度が遅くなってしまった場合は、1GBあたり¥500円で通信量を追加購入することができるのだが、1GB=¥500円という料金設定は正直高い。ドコモのahamo(アハモ)についても同様だ。
それと比較し日本通信であれば、通信量1GBあたり¥250円で購入できるのでありがたい。
ahamoより安い日本通信とは?
そもそも通信速度が1Mbpsに制限されたからといって、何もできなくなるわけでもない。
1Mbpsの通信速度でも普段通りに「できること」と「できないこと」があるはずだ。その点については以下の記事に分かりやすくまとめてみたので是非ご覧頂きたい。
ソフトバンクonLINEへの申込はオンラインからのみとなってため、ソフトバンクやY!モバイルなどの店頭での申込はできない。
LINEアプリからの申込も可能としている。
統計上10代~30代と年齢が若い層の約80%は「LINEを毎日利用している」ということが分かっているため、ソフトバンクonLINEの狙いは、ドコモのahamo(アハモ)と同様に、まさに若い人をターゲットにした通信サービスであることがわかる。
ネットからの申込や問い合わせが苦手・不安な方は、店頭での対応が可能なドコモやau、ソフトバンク、楽天モバイルを利用した方がよいだろう。
現在LINEモバイル(MVNO)を利用しているユーザーにとって、ソフトバンクonLINEのサービスがどう映るのだろうか?
おそらく現時点において、LINEモバイルのユーザーはソフトバンクonLINEのサービス内容について以下の2点が気になっていることだろう。
LINEモバイルはこれまでソフトバンク回線やドコモ回線、au回線といったMVOの回線を借り受けてMVNOとして通信サービスを提供していたわけだが、ソフトバンクonLINEになると、Y!モバイルと同じようにソフトバンクと同じネットワークを使って通信を行う仕組みになるため通信品質が向上する。
そのため、ランチタイムなどの通信量急増によって起こる通信混雑時にも快適に通信が行える可能性がある。
2021年3月からソフトバンクonLINEのサービスが開始されるに伴い、LINEモバイルでは現在のサービスを終了するとともに、新規受付も終了する。
正確な時期についてはまだ不明であるが、おそらく2021年2月~3月にかけてLINEモバイルはそのMVNOサービスにピリオドを打ち、LINEモバイルに加入している現ユーザーは自ずとソフトバンクonLINEのユーザーへシフトすることになるだろう。
現LINEモバイルの通信サービスは、LINEが使い放題であるとともに通信量によって月々の料金サービスが細分化されている。これらのサービスがソフトバンクonLINEになることで一律月額¥2,980円(税別)に統一されるのかどうかは不明。
LINEモバイル | → | ソフトバンクonLINE | 比較 |
---|---|---|---|
月額¥1,100円(500MB) | → | 月額¥2,980円(20GB) | 高い |
月額¥1,480円(3GB) | → | 同上 | 高い |
月額¥2,200円(6GB) | → | 同上 | 高い |
月額3,200円(12GB) | → | 同上 | 安い |
いづれにしても、月々¥1,100~2,200円の通信プランで満足しているLINEモバイルのユーザーからしてみれば、ソフトバンクonLINEへのシフトには不安要素があり過ぎるとは確か。LINEモバイルユーザーへは具体的なサービス指針を示してほしいものだ。(2020年12月27日 時点)
ソフトバンクの通信ブランドには「Y!モバイル」がある。
2021年3月には「ソフトバンクonLINE」を加えた3つの通信ブランドでソフトバンクはサービスを展開することになるのだが、この3つのソフトバンクブランド間での乗り換えにかかる手数料はすべて無料となる。
ここまでソフトバンクonLINEのサービス概要を一通りみていくと、ドコモのahamo(アハモ)に真っ向から対抗できる通信サービスかと問われると個人的には残念な点が多い。
1つは20GBで月額¥2,980円(税別)という通信料金プラン。
これはドコモのahamo(アハモ)と全く同じ料金設定である。その点、日本通信というドコモ回線のMVNO会社が立ち上げたSSDプランというサービスは20GBで月額¥1,980円(税別)。
料金面ではソフトバンクonLINEのインパクトはとても低い。
残念な2つ目の点として、サービスの内容。
LINEでの通信や通話が使い放題、という点が唯一ソフトバンクonLINEの強みなのであるが、単純にLINEモバイルのサービスを取り込んだだけという見方もでき、個人的にはもっと活気的なサービスを展開してほしかった。
今回はドコモのahamo(アハモ)に対抗したソフトバンクの新たな通信ブランド『ソフトバンクonLINE』の概要についてまとめてみた。
ahamo(アハモ)のサービスと比較すると、月額の「通信量」と「通信料金」、「無料通話」のいづれもahamo(アハモ)と全く同じであり、ソフトバンクonLINEの新サービスには正直あまりメリットを感じることはできなかった。
唯一LINEモバイルを取り込むことで『LINEによる通信や通話での通信量の消費がない』という点が、ahamo(アハモ)より光るメリットであると思うが、これもLINEモバイルユーザーからすると当たり前のことである。
個人的な感想ではあるが、ソフトバンクonLINEのサービスは、ただ単にLINEモバイルのサービスをそのまま吸収しただけの安直なサービスであり、ドコモのahamo(アハモ)に対抗できるサービスかといえばどこか力強さが足りない。
その点ドコモ回線を利用した元祖MVNO『日本通信』が12月10日から開始した『SSDプラン』のサービス内容は凄まじく素晴らしいと思う。
ドコモのahamo(アハモ)の誕生に伴い、一番ユーザーの流れる通信ブランドは『日本通信』ではないかと思っている。
その理由は以下の記事で詳しく解説している。検討時には是非参考にしていただきたい。
View Comments