Apple(アップル)は日本時間 2023年9月13日(水)AM2:00より開催した新製品発表会にて、次世代の新型iPhone を発表した。
発表された新型iPhoneは全部で、iPhone15、iPhone15 Plus、iPhone15 Pro、iPhone15 Pro Maxの4モデル。
前モデルとなるiPhone14シリーズと比較した場合、iPhone15シリーズで大きく進化したのは主に9つ。
- A16 Bionic 、A17 Proチップを搭載。
- 接続コネクタがUSB-Cに変更。
- サイズと重さ。
- 形状(フォルム)。
- カラー。
- 全モデルにDynamic Island(ダイナミック・アイランド)が採用。
- Proモデルにtitanium(チタニウム)素材が採用。
- 初 光学望遠5倍(120mmレンズ)を搭載(ProMaxのみ)
- アクションボタンの採用。
A16 Bionic 、A17 Pro チップを搭載
iPhone15シリーズの4モデルに搭載される最新チップについて。
iPhone15、15Plusには、iPhone14 Pro、14 Pro Maxに搭載されているA16 Bionicチップが搭載されました。
15,15 Plusは『A16 Bionic』
✅6 コアCPU
✅5 コアGPU
✅16 コア Neural Engine
iPhone15 Pro、15 Pro Maxには最新のチップ『A17 Pro』が搭載されています。
15Pro,15 Pro Maxは『A17 Pro』
✅6 コアCPU
✅6 コアGPU
✅16 コア Neural Engine
A16 BionicとA17 Proのチップを比較すると、GPUのコア数がA16 Bionicの方が「5コア」であるのに対し、A17 ProのGPUコア数は「6」であることが分かります。
GPUは、高解像度の3Dグラフィックを要求するゲームや動画を視聴したりする場合にその性能を発揮する計算処理能力です。
GPUのコア数が多い「A17 Pro」チップを搭載しているiPhone15Pro、15Pro Maxは、これまで以上に高解像度のゲームや動画、映像を楽しむことができるiPhoneであることが期待できます。
接続コネクタにUSB-Cが採用
iPhoneの接続コネクタは、2012年に発売されたiPhone5から『Lightnig(ライトニング)』が採用され続け、第16世代になるiPhone14シリーズまでの約10年間、ずっと変更されることはありませんでした。
▲Lightningが初めて採用されたiPhone5(2012年9月21日 発売)。
ところが2022年。
欧州連合(EU)が、EU域内で販売されるすべての携帯電話やタブレット端末、カメラについて、2024年末までにUSB-Cポートを搭載するように義務づけた法案を可決したことをきっかけに、
アップルはこれまで押し通してきたLightningに仕様をUSB-Cへ変更せざるをえなくなりました。
このことから、すでに一部のiPadモデルの接続コネクタはLightningからUSB-Cへと移行し販売されています。
そしてついに、第17世代となるiPhone15シリーズにてその波がやってきました。
▲iPhone15シリーズ 全モデルに採用されるUSB-C コネクタ部分。
接続コネクタがLightningから「USB-C」になると、以下の速度が速くなるといわれています。
- データ転送速度
- 充電速度
USB Type-Cには、USBの規格を作っている「USB-IF」が定めたUSB規格に準拠しているタイプと、Intel(インテル)が定めた「Thunderbolt(サンダーボルト)」という規格に準拠したタイプがあります。
また、USB Type-Cの各タイプには、以下のようなバージョンがあり、それぞれのバージョンによってデータの「転送速度」、そして「充電速度」が異なります。
規格バージョン | 最大データ転送速度 |
---|---|
USB 2.0 | 480Mbps(毎秒60MB) |
USB 3.0 | 5Gbps(毎秒640MB) |
USB 3.1 | 10Gbps(毎秒1.25GB) |
USB 3.2 | 20Gbps(毎秒2.5GB) |
USB 4.0 | 40Gbps(毎秒5GB) |
Thunderbolt 3.0 | 40Gbps(毎秒5GB) |
Thunderbolt 4.0 | 40Gbps(毎秒5GB) |
iPhone15シリーズに採用されたUSB-Cは“USB2.0”、“USB3.1”規格
iPhone15とiPhone15 Plusに採用されているUSB-Cのコネクタは、USB規格に準拠しているタイプで『USB 2.0』の規格に対応しています。
そのため、iPhone15およびiPhone15 PlusのUSB-Cコネクタから、ファイルや写真、映像、動画などのデータを転送するときの転送速度は、論理値として最大480Mbps(毎秒60MB)となります。
それに対し、ProモデルのIPhone15Pro、15Pro MaxのUSB-Cコネクタの規格は「USB3.1」になりますので、データ転送速度は理論値上、最大10Gbps(毎秒640MB)とされ、標準モデルの15,15Plusの20倍も高速であることをアップルは説明しています。
サイズと重さ
気になるiPhone15シリーズの本体サイズ、重さについて表にまとめてみましたのでご覧ください。
項目 | 15 | 15Plus | 15Pro | 15ProMax |
---|---|---|---|---|
本体 | ||||
高さ | 147.6 | 160.9 | 146.6 | 159.9 |
幅 | 71.6 | 77.8 | 70.6 | 76.7 |
厚さ | 7.80 | 7.80 | 8.25 | 8.25 |
重量 | 171g | 201g | 187g | 221g |
iPhone15,15 Plus,15Pro,15Pro Maxの4モデルの本体サイズについて、「幅」「高さ」「厚み」のそれぞれの寸法を比較してみると、寸法が大きい順に並べると以下のようになります。
- ▶幅 15Plus > 15Pro Max > 15 > 15Pro
- ▶高さ 15Plus > 15Pro Max > 15 > 15Pro
- ▶厚さ 15Pro,15Pro Max > 15,15Plus
- ▶重さ 15Pro Max > 15Plus > 15Pro > 15
大きめのディスプレイ、そのわりに “持ちやすく”、そして“軽い”ことがスマホに望まれていることだとすると、4モデルのうち一番最適なiPhoneどれになるのでしょうか?
上記のサイズ比較において、厚みをのぞく「高さ・幅・重さ」の全ての点でいえば『iPhone15Pro』が最適なiPhoneだと言えそうです。
最適なモデルは…
『iPhone15Pro』
形状(フォルム)
気になるiPhone15シリーズの形、つまりフォルムについてです。
iPhone15シリーズの4モデルの形状は全て、フレーム部分が曲線を帯びたラウンド形状になりました。
そのため、これまでエッジがきいていたiPhoneより手に握りやすく、見た目もスマートになりました。
カラー
iPhone15シリーズ 4モデルのカラーについてまとめてみました。
15,15Plusのカラーは全部で5色
iPhone15、iPhone15Plusのカラーは5色展開。ちなみに今回発表されたiPhone15,15Plusのカラーに(PRODUCT)REDは存在しません。
- ブルー
- ピンク
- イエロー
- グリーン
- ブラック
▲左からブルー,ピンク,イエロー,グリーン,ブラック
前モデルのiPhone14,14Plusと比較すると、iPhone15、iPhone15Plusのカラーは全体的に淡いパステルカラーになっているので、老若男女、そして年齢性別問わず受け入れやすい色味になっていると思います。
またiPhone15,15Plusの背面ガラスは、手触りがサラサラとしたマット仕上げになっているのも特徴的。
同じブラック カラーのiPhone14とiPhone15の背面を比べてみると、その違いがよく分かります。
マット加工がされていない(左)のiPhone14の背面は、ガラス素材むき出しで光沢感があるのに対し、(右)のiPhone15の背面にはマット加工が施されているため、光沢感が一切ありません。
このように背面の光沢感がないiPhone15では、これまで付きやすかった指紋が全く目立たなくなるという点で評価することができます。
ついでにいうと、このマット加工が施されたことによって、iPhone15,15Plusの淡く落ち着いたカラーが実現しているのではないかと思われます。
これまでにないカラーとマット加工が施されたiPhone15,15Plus。
カラーについては、実際にこの目で確認したいという気持ちにさせてくれる魅力の1つです。
15Pro,15ProMax のカラーは4色
気になるiPhone15シリーズの最上位モデルにあたるiPhone15Pro、iPhone15ProMaxのカラーは、前モデルまで存在していたゴールドがなくなり、以下の4色展開となりました。
- ナチュラルチタニウム
- ブルーチタニウム
- ホワイトチタニウム
- フブラックチタニウム
要するに「青」「白」「黒」とチタンの素材そのものの色である「チタン色」の4色となります。
iPhone15Proシリーズのカラーについて個人的な意見を述べさせてもらうと、ブルーとホワイトに関してはこれまでのiPhoneにも存在していたカラーになるので、見飽きた方はチタン合金の素材を活かした「ナチュラル」と「ブラック」に魅かれるのではないか…と思っています。
特にナチュラルチタニウムのカラーについては、これまでになかった色、風合いになっていますので、予約そして店頭でも人気のカラーになりそうな雰囲気です。
一方、ナチュラルとブラックは、次のiPhone16シリーズのProモデルのカラーでも登場する可能性が高いので、iPhone15のモデルでしか手に入れることができなくなるカラーとして考えるならば、「ブルー」のカラーが希少な色になることも予想されます。
今回のProモデルのカラーは全色どれもシックな色合いになるので、一番の悩みどころと言っていいでしょう。
全モデルにDynamic Island が採用
iPhone15シリーズは、「第17世代」となる位置づけのiPhoneです。
この第17世代になったiPhoneの全モデルには『Dynamic Island(ダイナミック・アイランド)』が採用されました。
▲左から順に15Pro Max,15Pro,15(=15Plus)
Dynamic Island(ダイナミック・アイランド)は次世代のiPhoneを象徴するツールとして、今後登場するiPhone16や17以降も継続されるものと思われます。
Proモデルにtitanium(チタニウム)素材。
iPhone15シリーズの最大の特徴が、iPhone15Proと15ProMaxのProモデルの本体に『titanium(チタニウム)』が採用されたことです。
iPhone15ProとiPhone15Pro Maxに採用されたチタニウムは、火星探査機にも使用されているチタン合金(6AL-4V)で、眼鏡でよく使用されているβチタンと比べると高強度です。
医療用のASTM規格をクリアしているので、医療用の金属として広く認知されていることに加え、航空機や宇宙産業にも利用されています。
またこれまでステンレススチールとアルミで製造されていたiPhone12以降のProモデルよりも、チタン合金でできたiPhone15Pro、15ProMaxはとても軽くなりました。
iPhone14のProシリーズとその重量を比較するとご覧のとおり。
モデル | 素材 | 重量 | 重量差 |
---|---|---|---|
14Pro | ステンレス(+アルミ) | 206g | – |
15Pro | チタン合金(+アルミ) | 187g | -19g |
モデル | 素材 | 重量 | 重量差 |
---|---|---|---|
14ProMax | ステンレス(+アルミ) | 240g | – |
15ProMax | チタン合金(+アルミ) | 221g | -19g |
Pro、ProMaxのどちらのモデルも前モデルと比較して、画面サイズは変わらないものの、15Proと15ProMaxの方が19gも軽くなっていることが分かります。
ちなみに採用されたチタン合金は純正のチタンよりも、強度(=壊れにくさを表す指標)がとても高いとされています。
Pro Max 初 光学望遠5倍(120mmレンズ)を搭載
カメラの話をすると、iPhone15シリーズは前モデルのiPhone14シリーズより以下の点で優れています。
- メインカメラが12MP→48MP
- スマートHDR4→HDR5
- 自動ポートレート機能
- ProMaxに光学望遠5倍 レンズ搭載
全モデルのメインカメラの解像度が48MPへ
前モデルのiPhone14シリーズでは、Pro仕様のiPhone14Proと14ProMaxのみが48MPのカメラが採用されていましたが、iPhone15シリーズでは、無印の15,15Plusのカメラも12MPから48MPへと解像度が引き上げられました。
そのため、写真をトリミング(=切り抜く)したときでも、驚くほどのディテールをとらえた見事な写真に仕上がります。
スマートHDR5
iPhone15シリーズの全モデルのカメラは、次世代のスマートHDR5が採用されているため、前モデルのiPhone14シリーズが採用していたスマートHDR4よりも、より暗所に強い撮影が可能となりました。
HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略語で、いわゆる明暗差が激しい場所での、白とびや黒つぶれといったカメラの弱点を補う撮影技術のこと。
スマートHDR5は、明るさの違う写真を一瞬で複数枚撮影し、それを合成することでバランスのとれた豊かな色彩の写真を生成してくれます。
自動ポートレート機能
iPhone15シリーズでは、「ポートレート」モードを使わなくても、通常の撮影モードで対象となる被写体を認識し、背景を自動でぼかしてくれる自動ポートレートが備わっています。
自動ポートレートは意識せず、ふつうの撮影モードで人物以外にも犬、猫※であれば被写界深度の情報を自動的に取り込み機能してくれるので、とても便利です。
人、犬、猫以外の被写体には
自動ポートレートは機能しません。
また、自動ポートレートが機能し撮影された写真は、写真アプリのポートレートでチェックすることができるようになります。
ProMaxに光学望遠5倍のレンズ搭載
iPhone15シリーズで最も進化したカメラ機能は、やはりiPhone15ProMaxの「光学望遠5倍」でしょう。
iPhone15ProMaxのみに搭載されたプリズムレンズによって、120mmレンズに相当する望遠撮影が可能になりました。
120mmのレンズの例をあげると、以下のようなNikon Z 24-120mm f/4 Sなどがあります。
▲ちなみにこちらのレンズ、重量は630.49 gあり、価格は税込みで¥211,448します。
もちろん120mmレンズはこれだけではありませんが、iPhoneのカメラ性能がここまで進化したのには驚きです。
アクションボタン
iPhone15ProとiPhone15ProMaxには、着信/消音ボタンが『アクションボタン』に変更されました。
アクションボタンを長押しすると、以下のような様々な操作を起動することができます。
- 消音モード
- 集中モード
- カメラ
- フラッシュライト
- ボイスメモ
- 翻訳
- 拡大鏡
- ショートカット
- アクセシビリティ
リビングルームの照明をつけたり、音楽を再生するのもアクションボタンから行うことができようになります。
アクションボタンへの操作の割り当ては、iPhone上で簡単に行うことができるようです。
その他
iPhone15シリーズが前モデルのiPhone14シリーズから進化した点はまだまだあります。
- ベゼルが細くなった。
- ディスプレイの最大輝度が2,000ニトになった。
- ディスプレイ解像度が向上した。
中でも、画面の明るさが1,000ニトから2,000ニトに向上したのは地味に嬉しい進化だと感じました。
また、変わらなかった点としては、iPhone15,15Plusにはディスプレイの常時表示機能がないこと、そしてリフレッシュレートも60Hzのままであること、そしてバッテリーの持ち時間は、iPhone14シリーズから変わっていないということ分かっています。
まとめ
2023年9月22日(金)に発売するiPhoneの第17世代となる『iPhone15』シリーズの4モデル iPhone15,15Plus,15Pro,15ProMaxの特徴について、前モデルのiPhone14シリーズと比較しながらまとめてみました。
これからiPhone15シリーズへの買い替えの参考になれれば幸いです。
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