2021年1月13日、KDDI(au)はドコモの『ahamo(アハモ)』、『ソフトバンクon LINE』に対抗した新しいプラン『Povo(ポヴォ)』を発表。ahamo、ソフトバンクon LINEと比べて何がどう違うのかを分かりやすく解説したいと思います。
2021年2月25日、KDDIと沖縄セルラーは、auのサブブランド『Pvo(ポヴォ)』のサービスが2021年3月23日(火)から開始になることを発表しました。
2021年3月23日(火)~
サービス開始
さらにPovoに関するサービスの詳細がいくつか分かりましたので追記致します。
Povo(ポヴォ)のサービスを利用するときの年齢制限が発表されました。
Povo(ポヴォ)を利用できるのは『20歳以上』の個人のお客様、となります。
20歳以上の個人のみ
つまり大学生であっても20歳未満の人はPovoを利用することができないということになります。
この年齢制限について、個人的には正直驚きました。
若者を主なターゲットとしているサービスだけあって、年齢制限を設けるにしてもせめて18歳以上というのであれば理解はできますが、20歳以上となると大学生でもPovo(ポヴォ)に加入できない若者もいるので少し残念なところではあります。
KDDI(au)が発表したPovo(ポヴォ)の概要がこちら。
概要 | Povo |
---|---|
料金 | ¥2,480円/月 |
通信量 | 20GB/月 |
契約方法 | オンライン |
無料通話 | なし |
回線 | 4G・5G(5Gは夏から) |
開始時期 | 2021年3月 |
特徴 | 専用アプリトッピングプラン |
KDDI(au)が発表したPovo(ポヴォ)は、20GBのデータ通信容量を月額¥2,480円(税別)で利用できる内容となっています。
回線は4G、5Gに対応していますが、5Gの通信サービスは2021年 夏から開始される予定ですので、ahamo(アハモ)やソフトバンクonLINEよりも遅いスタートとなります。
契約はオンライン申込のみとされています。この点は、ドコモのahamo(アハモ)やソフトバンクのon LINEと同様、販売で必要となる経費を抑えることで割安な料金を打ち出してきたと言って良いでしょう。
サービスの開始時期は2021年3月予定となっています。(ただし5Gは2021年夏から開始)
さらにPovo(ポヴォ)がahamo(アハモ)やソフトバンクonLINEと違う最大の特徴は、『24時間データ無制限』というデータ通信の使い放題プランが用意されていることです。
KDDI(au)は新プランPovo(ポヴォ)を公表するとともに、他の通信事業者へ同じ電話番号で乗り換える際の転出手数料¥3,000円(税別)を2021年4月1日をもって廃止することも発表しました。
この時期の転出手数料無料化のタイミングは、auがPovo(ポヴォ)へ転出したいauユーザーを快く受け入れてくれていることを意味します。
au → Povo
乗り換え手数料¥0円
これまでのauは、UQモバイルへ乗り換えるときのMNP転出手数料が「無料」であり、UQモバイル以外の他通信事業者への乗り換え時は転出手数料が¥3,000円かかっていました。
これが完全撤廃されました。
MNP転出手数料は、以下の全ての窓口で無料となるようです。
転出が4月1日以降であれば、3月31日以前にMNP予約番号を取得した場合も対象となるようです。
MNP転出手数料の廃止については、総務省よりWeb手続きの場合は原則無料にするガイドラインの策定が進められていることから、ソフトバンクは2020年10月、ドコモは2020年12月に完全撤廃を発表していました。
ドコモ、ソフトバンクに続き、KDDI(au)がMNP転出手数料の無料化を発表。
楽天モバイルもあらゆる手数料が無料で乗り換えを受け入れる『ZERO宣言』なるものを打ち出しています。
そして楽天モバイルはなんとPovoの料金プランよりさらに安い20GB/月が¥1,980円(税別)で利用できる新プラン『UN-LIMIT Ⅵ』を2021年4月1日からスタートすることを発表しました!
楽天モバイルが打ち出した国内大手通信キャリアの中で最安のプラン、詳しくは以下の記事をご覧ください。
Povo(ポヴォ)に新規契約、もしくはauからの転入時の事務手数料は無料です。
事務手数料¥0円については、Povo(ポヴォ)だけではなく、ドコモのahamoやソフトバンクのLINEMO(ラインモ)も同様です。
事務手数料は無料
そもそも店舗を持たないブランドになるので、スタッフによる顧客対応がなくなる分、事務手数料が無料になるとは当然といえば当然です。
これは私があるauショップの店員から実際に確認した話。
auやドコモ、ソフトバンクなどの大手通信キャリアは、2021年3月から機種変更時のデータ移行やアプリの操作に関するサポとをすべて有料化するようです。
ここでいうデータ移行とは『電話帳(連絡先)』の移行のことではなく、LINEなどのアプリの移行・操作のことを示します。
auやドコモ、ソフトバンクなどのお店では、これまで機種変更時もしくは使っている機種でのアプリの使い方などを無償でスタッフが対応していました。
しかし2021年3月からは、アプリに関することやLINEに関する問い合わせや操作に関してすべて有料になります。
どういった内容のものがいくらで対応できるのか・・・といった細かい内容までは分かりませんでしたが、だいたい¥2,000円くらいということ。
ドコモもauもソフトバンクも横並びで同じ金額で有料化になるようです。
新規加入時の事務手数料が¥0円であるように、Povo(ポヴォ)の解約時も手数料は一切かかりません。
これも店舗やスタッフの常駐がないオンライン契約がなせる仕組みといえます。
解約時の手数料¥0円
ドコモとソフトバンク、KDDI(au)3社の新プランのサービスを比較してみるとこんな感じになります。
概要 | ahamo | Povo | ソフトバンク onLINE |
---|---|---|---|
料金 | ¥2,970/月 税込 | ¥2,480/月 税別 | ¥2,980/月 税別 |
通信量 | 20GB | 20GB | 20GB |
節約モード | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps |
契約方法 | オンライン | オンライン | オンライン |
無料通話 | 5分間 | ー | 5分間 |
回線 | ドコモ 4G/5G | au 4G/5G | ソフトバンク 4G/5G |
開始時期 | 2021年3月 | 2021年3月 (5Gは夏) | 2021年3月 |
キャリア アドレス | 使えない | 使えない | 使えない |
テザリング | 使える | 使える | 使える |
特徴① | 海外 | 24H データ無制限 トッピング | LINE無制限 |
特徴② | ー | eSIM | eSIM |
特徴③ | 端末購入なし | 端末購入なし | 端末購入なし |
Povoより安い!→日本通信(格安SIM)
月に利用できるデータ通信量は3社とも同じ20GBで横並び状態。超過分の節約モードでも3社同じ「1Mbps」となります。
月データ通信量 20GB
(超過分 通信制限1Mbps)
今回後出しじゃんけん的に発表されたKDDI(au)の新プランPovo(ポヴォ)の料金は、ドコモのahamo(アハモ)、ソフトバンクonLINEよりも¥500円安い月額¥2,480円(税別)となっています。
月額¥2,480円(税別)
通話について。ahamo(アハモ)やソフトバンクonLINEが5分間の無料通話サービスがあるのに対し、Povo(ポヴォ)には無料通話サービスはありません。
¥500円の追加料金で5分間の通話ができ、¥1,500円の追加料金で通話し放題となります。
無料通話なし
(+¥500円で5分通話)
(+¥1,500円で通話し放題)
回線については4G、5G通信に対応しており、5G通信については2021年の夏ごろから開始となります。
5G通信は2021年 夏から
Povo(ポヴォ)でauのキャリアメールアドレス(~@ezweb.ne.jp)は利用することはできません。もしauからPovo(ポヴォ)への乗り換えを検討している方は、auのキャリアメールアドレスが使えなくなることを前提にご検討ください。
これまでauのキャリアメールに受信してきた内容がpovo(ポヴォ)に乗り換えた後でも閲覧できるのかどうかについても今の段階で未定です。
auのキャリアメールは使えない
Povo(ポヴォ)ではテザリングの利用ができます。テザリングも20GBのデータ通信で行われますので、20GBのデータ通信量を消費してしまうと、1Mbpsの通信速度でテザリングを行う形となります。
テザリング利用可
Povo(ポヴォ)は『eSIM』を利用したデータ通信サービスも行う予定のようです。
つまりeSIMに対応した機種であれば、スマホだけではなくiPadなどのタブレットでも利用できると思われます。
ちなみにeSIMに対応したiPadは以下。
eSIM対応機種も利用可
Povo(ポヴォ)はデータ通信専用のサービスになるので、スマホ端末を新たに購入するプランもありません。
なので、今利用している機種端末(iPhoneやandroid)をそのまま利用する形になります。
スマホ購入はなし
Povo(ポヴォ)で対応できる機種の概要が2021年3月8日の発表で分かりました。
auのVoLTEに対応している機種であること
もちろんiPhoneでもAndoridスマホもこのルールに則りPovo(ポヴォ)で使えるということです。
ただし、iPhoneについてはiPhone6s以降の端末が対象ということです。
つまりiPhone6sはPovo対応、iPhone6はPovoに非対応ということになります。iPhone6より前のiPhoneも非対応です。
・iPhoneの対応機種
iPhone 6s
iPhone 6s Plus
iPhone 7
iPhone 7 Plus
iPhone SE(第1世代)
iPhone SE(第2世代)
iPhone 8
iPhone 8 Plus
iPhone X
iPhone XS
iPhone XS Max
iPhone XR
iPhone 11
iPhone 11 Pro
iPhone 11 Pro Max
iPhone 12 mini
iPhone 12
IPhone 12 Pro
iPhone 12 Pro Max
KDDI(au)の新プランPovo(ポヴォ)の最大の特徴。
それは『24時間データ通信使い放題』というトッピングサービスにあります。
どんなサービスかというと・・・
1回¥200円の追加料金で丸1日(24時間)、無制限でデータ通信が使い放題となるサービスです。
¥200円で丸1日
データ通信無制限
つまり、利用者の日々のデータ通信の使い方に応じて、柔軟に料金設定を変更することができるということ。
例えばこんなときに便利。
スマホで映画を観たいので1日だけ通信無制限で利用したい・・
今日は外出先からzoomを使ってオンライン会議をするから
データ通信量を無制限で使いたい・・・
wifiない環境でテレワークしたい・・・
Povo(ポヴォ)では『テザリング』も使えるので、パソコンを使ったオンライン会議などでも「24時間データ通信使い放題サービス」を扱うことができます。
また月後半に20GBの通信量を使い切ってしまった場合でも、月末までの残り数日を¥200円/日で『24時間データ通信使い放題プラン』を使うことで、通信速度制限に悩まされることなく最後まで快適な通信サービスを楽しむことができます。
そんなユーザーの都合のよい通信料金体系にフレキシブルに順応してくれるのがauの新たなプランPovo(ポヴォ)の独自の特徴です。
『今日は使いまくるぞ~!』という感じでデータ通信量をかなり使う日と、まったく使わない日の落差が激しい場合はPovo(ポヴォ)がすごく便利。
ahamoやソフトバンクonLINEのように固定されたデータ通信プランに強いこだわりをみせるサービスと比べると、とても魅力的なサービスに感じます。
『24時間データ通信使い放題』のON/OFFの切り替えは、Povo(ポヴォ)の専用アプリを使って行い、月に何度も制限なく利用できるようです。
24時間データ通信使い放題 ON/OFF
↓
専用アプリで切替え
さらにKDDI(au)は、オプションサービスの第1弾として『24時間データ通信使い放題』のサービスを位置付けており、今後、24時間データ通信使い放題に続くトッピングサービスが続々と登場するようです。
専用アプリで利用できるサービスなので、わざわざ店舗に足を運んだり、サポートセンターへ問い合わせする必要もないPovo(ポヴォ)のトッピングサービス。
これからどんなサービスが出てくるのか、とても楽しみです。
今回発表されたKDDI(au)の新プランPovo(ポヴォ)の導入によって「UQモバイル」の立ち位置はどうなるのでしょうか?
2020年1月時点におけるUQモバイルの料金サービスの概要は以下のようになっています。
概要 | Sプラン | Rプラン |
---|---|---|
料金 | ¥1,980円/月 | ¥2,980円/月 |
家族割 | ¥1,480円/月 | ¥2,480円/月 |
通信量 | 3GB/月 | 10GB/月 |
節約 モード | 最大 300kbps | 最大 1Mbps |
無料 通話 | なし | なし |
この料金表から、少なくともUQモバイルよりもPovo(ポヴォ)の方が安くてサービスが充実していることが分かります。
UQモバイルがPovo(ポヴォ)との差別化を唯一あげるとするなら『店舗の有無』でしょう。
つまり、UQモバイルは今回のKDDI(au)の新プランPovo(ポヴォ)によって、来店しやすいシニア層をターゲットとしたサービスを充実させていくのではないかと思われます。
UQモバイル
↓
シニア向けサービスへ
KDDI(au)の新プランPovo(ポヴォ)に限ったことではなく、ドコモのahamo(アハモ)やソフトバンクonLINEなどの携帯大手キャリアが次々と発表した新プランによって、格安SIM(MVNO)の立場が危うくなってきています。
その理由は、ズバリ月々の料金設定が携帯大手3社の新プランとそんなに変わらないことです。
これまでドコモやau、ソフトバンクの回線を間借りして格安SIMのサービスを展開してきたMVNOは、月額の料金の安さが売りでした。
今までMVNOは携帯大手キャリアと月々の通信料金を比べて格段に安かったことで、多くのユーザーを獲得してきましたあ。
しかしここにきて携帯大手3社が導入してきた新プランの設定料金や中容量のサービスによって、その差がなくなってきました。
まして、通話や通信の品質においてMVNO(格安SIM)は携帯大手3社には歯が立ちません。
格安SIMを提供しているMVNOは、携帯大手3社による新プランの登場により、生き残りをかけた価格競争、もしくはサービス競争を強いられることは確実と思われます。
ahamoやソフトバンクonLINEに対抗しKDDI(au)から発表された魅力的なサブブランド『Povo(ポヴォ)』。
でもまだ分からないこと、知りたいことがたくさんあります。
例えば『au→Povo』の乗り換えを考えたとき、ふと浮かぶこんな素朴な疑問。
auで購入した端末代金の支払いがまだ途中でも
Povoへ乗り換えできるのかな・・・・
PontaのポイントはPovoで付くの?
auで使えていたセルラータイプのApple Watchは
Povoでも使えるの?
とまあ、こんな感じでPovoについてまだまだ分からないことがたくさんあるわけです。
そんな素朴な疑問をauの『サポートセンター』に問い合わせしたところ以下のような返答がありました。
Povoへの乗り換えの条件や乗り換え後の機種代金のお支払いについては、まだ確定しておらず、お伝えできる情報がない状況でございます。
auサポートセンターより(2021/01/14)
サービス開始は、2021年3月を予定しており、お申込み手順などを含めた詳細については、情報が確定次第以下のPovoホームページで公開させて頂きます。
恐れ入りますが、いましばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます。
auサポートセンターと実際にやりとりした画面がこちら。
つまりPovoへの乗り換えを考えている方は、Povoのホームページを気にかけて見る必要があります。
ここからは2021年2月25日に発表されたPovo(ポヴォ)の詳しいサービス内容をみて、auにあってPovo(ポヴォ)にないものをまとめてみましたのでご覧ください。
Povo(ポヴォ)は留守番電話サービスに対応していません。
Povo(ポヴォ)を使った海外での通話、通信を行うことはできません。
ただし、今後海外でのPovo(ポヴォ)サービスの利用ができることになる可能性は十分にあります。
auの『家族割プラス』はPovoに乗り換えると引き継げません。
そのため現在auの家族割プラスで契約している人は注意が必要です。
ただし、2021年夏(具合的な期日は未発表)までに申し込みすれば『早期申込特典』として家族割の対象になるようです。
とはいえ、月額の支払額が家族割プラスを適用していても¥2,480円を超えているようであればPovo(ポヴォ)への乗り換えを検討する余地はあります。
au家族割プラス→ 適用外
auのスマイルハート割引の対象の方は、Povo(ポヴォ)に乗り換えると割引がなくなります。
スマイルハート割引とは、auが独自に行っている障がいがある方に向けた「基本料金・通話料金」を割り引くサービスです。
Povo(ポヴォ)に乗り換えるとスマイルハート割引が適用されなくなるのでご注意ください。
auからPovo(ポヴォ)に乗り換えるときに気になるのは、今利用しているauから受けているサービスをそのまま適用されるかどうかということです。
auから利用しているサービスでPovo(ポヴォ)でも引き続き利用できるサービスをまとめてみましたのでご覧ください。
SMS、いわゆる電話番号を使ったショートメールはPvo(ポヴォ)でも利用することができます。
料金は、1送信あたり¥3円かかります。制限文字数は70文字となっています。受信する場合の料金はかかりません。
auで分割払いで購入した機種の残高が残っていて『auかえトクプログラム』で契約している方がpovo(ポヴォ)に乗り換える場合、auかえトクプログラムはそのまま引き続き行われます。
auかえトクプログラム
↓
Povoでも継続!
auのかえトクプログラムとは、簡単にいうと『25ヵ月目でauに機種を返却することで月々の端末本体の分割料金を安くする』というサービス。
このプランはPovo(ポヴォ)に乗り換えた後も引き継がれるので、いきなり月々の端末分割料金が値上がりすることもなく、もちろん急に一括払い!などの心配をする必要もありません。
かえトクプログラムは継続となります。
今回発表されたKDDI(au)の新プランPovo(ポヴォ)は、ドコモのahamo(アハモ)やソフトバンクonLINEよりも¥500円も安い料金設定。
無料通話には追加料金が必要ですが、丸1日データ通信を無制限で追加できる通信トッピングプランを利用することで、日々の生活スタイルにフレキシブルに対応できるPovo(ポヴォ)の姿勢はとても賛同できるとともに、ahamoやソフトバンクonLINEに充分対抗できる魅力的なサービスだと思います。
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