スマートフォンを使っていれば、何かと月々の通信料金が節約できないものか悩むもの。
そんなときドコモやau、ソフトバンクなどの大手通信キャリアでばか高い通信料金を払うよりも、MVNO(仮想移動体通信事業者)と契約した方が、月々の通信料金を節約することができます。
日本国内で主力であるMVNOは、2020年11月時点では11社あります。「新規顧客」を勝ち取ろうと、各社それぞれ必死で多種多様な加入時の割引サービスを立ち上げて競合しています。
今回は各MVNOの主な特徴をまとめ、その中でも月々料金の『支払方法』に注目してみました。
国内主力MVNOの主な特徴 2020/11月
日本国内におけるMVNO11社それぞれの特徴を以下の4つのポイントでまとめてみました。
- 新規加入時のキャンペーン
- 料金
- 通信プラン
- 支払方法
MVNO | 新規加入時 キャンペーン (※内容変更あり) | 料 金 | 通信プラン | 支払方法 |
---|---|---|---|---|
楽天モバイル | 1年間無料 ※1年後解約手続き無料! | 一律¥2,980 業界最安 | データ通信制限なし (楽天回線エリア外は 5GB越えで1Mbps) | クレジット 口座振替 |
イオンモバイル | ¥4,000分のWAON | 業界2位 | 10つの通信プラン | クレジットのみ |
LINEモバイル | ①最大¥5,000分LINE Pay ②基本料¥980分割引 3ヶ月間 | 業界4位 | 4つの通信プラン 500MB,3GB, 6GB,12GB | クレジット LINE Pay LINE Payカード |
OCNモバイルONE | なし | 業界3位 | 6つの通信プラン 1GB,3GB,6GB, 10GB,20B,30GB | クレジット 口座振替 |
BIGLOBE | ①3GB以上で¥1,200円割引 ②音楽/動画データ消費無 半年間 | 6GB迄安い | 6つの通信プラン 1GB,3GB,6GB, 12GB,20B,30GB | クレジットのみ 口座振替一部可 |
IIJmino | 1GB¥480円~(11/30迄) 3GB¥900円~(11/30迄) | 少々高い | 9つの通信プラン ・32GBが¥4,380円 限定 ※1GBあたり¥136円 | クレジットのみ |
mineo | 3GB¥980円~(半年間) | 高い | 6つの通信プラン 500MB,3GB,6GB, 10GB,20GB,30GB | クレジットのみ |
QTモバイル | 3GB¥990円~(半年間) | 高い | 6つの通信プラン 1GB,3GB,6GB, 12GB,20B,30GB | クレジットのみ |
UQモバイル | au ID取得 4GB¥1,980(無期限) au ID取得 12GB¥2,980(無期限) | 高い | 2つの通信プラン 3GB,10GB | クレジット 口座振替※ |
JCOMモバイル | とくになし | 高い | 4つの通信プラン 1GB,5GB,10GB,20GB | クレジットのみ |
Y!モバイル | ・最大¥6,000分 PayPay 3GB¥1,980(半年間) 10GB¥2,980(半年間) 14GB¥3,980(半年間) | 高い | 3つの通信プラン 3GB,10GB,14GB | クレジットのみ 口座振替※ |
新規加入時のキャンペーン
国内11社各MVNOが『顧客』獲得のため、日々しのぎを削っていることが垣間見えるのが新規加入時の『期間限定キャンペーン』。
TVのCMでお馴染みの芸能人を起用して期間限定キャンペーンで「格安SIMっ!!」と叫ぶ宣伝を観ない日はありません。
MVNO目線では、どんなサービスやキャンペーンが顧客の心に響くのか、顧客目線ではどのMVNOが一番お得なのか。
それぞれの目線で各MVNOのキャンペーンの特徴をみていくと、奥が深くなかなか面白いことにも気づきます。
分かりやすいところでいうと、例えば「LINEモバイル」。
LINEモバイルは、その名の通りLINEを中心に『SNS』に特化したサービスを展開しています。例えば、LINEを使った通話やメッセージ、写真や動画の添付で消費されるはずのデータ通信はノーカウント。つまりLINEモバイルを使うと、LINEを使う分には一切データ通信量が減りません。『LINEデータフリー』というサービスになります。
家族や友人、知人とLINEでよく連絡を取ったりメッセージを送る人は、LINEモバイルに加入しない理由が見つからないくらい、LINEを頻繁に使う人にとってはまさに神MVNOでしょう。
さらに月¥480円で、LINE以外のTwitterやFackbook、InstagramなどのSNSやSpotifyなどの音楽ストリーミングサービスもデータフリーで利用することができるんです。
さらにLINEモバイルでは、新規加入時のキャンペーンとして音声通話付3GB以上の通信プランを契約することで、3ヶ月間基本料金から¥980円が割り引かれ、最大¥5,000円分のLINE Pay もしくはLINE ポイントがもらえます。(2020年11月時点)
次にBIGLOBE(ビッグローブ)というMVNOの新規加入キャンペーンも特徴的です。
BIGLOBEに新規加入すると、6ヶ月間だけYouTubeを通信量を一切減らすことなく無制限で観れる『エンタメ・フリーオプション』が無料になります。
BIGLOBEに加入すると最初の6ヵ月間は、YouTubeをはじめとする「ABEMA TV」や「U-NEXT」などの動画コンテンツや、Amazon MusicやApple Music、Spotify、AWAなどの音楽コンテンツ、さらにdマガジンや楽天マガジンなどの電子書籍をデータ通信量を一切削ることなく無制限でいくらでも視聴することができます。
ただし、BIGLOBEは6GB未満のデータ通信プランの料金は比較的安いものの、6GB以上の通信プランになると他MVNOよりも少々金額が高い傾向にあります。
2020年11月では、11社それぞれの新規加入者限定のキャンペーンを見渡してみて、面白いなと感じたキャンペーンは「LINEモバイル」と「BIGLOBE」の2社くらい。
その他のMVNOのキャンペーンはどこも月々の料金を期間限定で「安く」する、あるいはデータ通信を数GB上乗せするといった比較的似たような内容のものが多くみられました。
LINEモバイルは、やはりLINEユーザーによって一番メリットがあるMVNOでしょう。
また、BIGLOBEのように、動画や音楽コンテンツのデータ通信が0(ゼロ)で観れるようなオプションが今後他のMVNOでも採用されてくると、さらに格安SIMの業界が盛り上がってくるのではないかと個人的に思っています。
料金と通信プラン
日本国内における主力11社のMVNOの料金比較については、別の記事で詳しく比較していますのでそちらの方をご覧頂けると良いかと思います。
結論から言えば、料金的に一番お得に見えるのはデータ通信量にかかわらず一律¥2,980円の『楽天モバイル』でしょう。
しかし、そこに通信速度や通信プランの豊富さなど、別の要素が加わってくると『イオンモバイル』が上位に立ちます。
支払方法
本記事のタイトルにあるように、じっくりと説明したいことはMVNOの『支払方法』です。
これまで「新規加入キャンペーン」や「月々の料金」、「通信プラン」など、多くの人は支払料金に関わるサービス面ばかりを気にして、どのMVNOと契約をした方が一番お得なのかということを考えます。
しかし、今回はまったく違う視点からMVNOを比較してみます。
それは『支払方法』です。
ほとんどのMVNOは、その支払い方法が『クレジットカードのみ』での対応となっています。クレジットカードから月々の通信料金が引き落とされることが一番効率的であると思いますが、例えばクレカを持っていない学生の方や、あるいはクレカを持っているけれどなるべく使いたくない方もいると思います。
そんな方のために、MVNOの中でクレジットカード以外の支払方法ができるMVNOを調べてみると、実質6社しかありません。(2020年11月 時点)
主力11社中、6社しかクレカ以外の支払方法に対応していないという点は、非常に大きな差別化と考えることができます。
ではクレカ以外の支払いができるMVNO5社について、その内情を細かく見ていくことにしましょう。
クレカなしで利用できるMVNO
支払い方法にクレジットカードを用いずに契約できるMVNOは以下の6社。しかしその内情は少し異なります。
各MVNO社のクレカ以外での支払方法とそれに関する情報は以下のようになります。
MVNOサービス | 口座振替 | 口座振込の引落日 (決済日) | クレカ/口座振替 以外の支払方法 |
---|---|---|---|
楽天モバイル | 〇 | 一律 毎月27日 (祝祭日は翌銀行営業日) | デビットカード |
OCNモバイルONE | 〇 | 契約番号で異なる (毎月5・10・15・20・25・月末) | デビットカード |
BIGLOBE | 〇 | 一律 毎月26日 (祝祭日は翌銀行営業日) | ー |
UQモバイル | 〇 | 一律 月末 (祝祭日は翌銀行営業日) | ー |
Y!モバイル | 〇 | 一律 毎月26日 (祝祭日は翌銀行営業日) | Pay-easy |
LINEモバイル | ー | ー | ・LINE Pay ・LINE Payカード |
クレカ以外の支払方法の特徴
まずクレジットカード以外の支払方法として銀行口座からの引き落とし「口座振替」があります。クレカ以外の支払いができるMVNOの6社のうち、口座振替ができるのはLINEモバイルを除いた5社。
LINEモバイルだけは口座振替ではなく、LINE Payアプリ、もしくはLINE Payカードといったツールを使って間接的に口座から引き落としができるという仕組みになります。
LINE Payアプリ、LINE Pay カードとも銀行口座と連携することができるので、LINE Payアプリならスマホを使ってWeb上で銀行口座からいつでも必要な金額をLINE Payアプリへチャージすることができますし、LINE Pay カードはコンビニなどでチャージすることができます。(そもそもネット環境があるのであれば、LINE Payアプリだけで十分。物理的なLINE Payカードは不要でしょう。)
ということでLINEモバイルを除いた5社の口座振替について細かくみていくことにしましょう。
口座振替ができる以下の5社ですが、実は口座振替の契約ができないサービスが中にはあります。できるものとできないものを区別してみました。
口座振替ができる契約とできない契約
サービス各種 | 楽天モバイル | OCNモバイルONE | BIGLOBE | UQモバイル | Y!モバイル |
---|---|---|---|---|---|
音声通話付 | 〇 | 〇 | × | △ WebではMNPのみ (資料請求要) 店頭契約で〇 | 〇 (資料請求要) |
データ通信のみ | 〇 | 〇 | 〇 | △ 店頭契約で〇 Webでは× | 〇 (資料請求要) |
端末同時購入 | × | × (代金一括購入以外) | × | × | 〇 (資料請求要) |
「楽天モバイル」・「OCNモバイルONE」・「Y!モバイル」の3社は、全サービスに対して『口座振替』の支払いが可能です。但し、Y!モバイルだけは「My Y!mobile」にログインし、口座振替のための資料(支払方法変更申請書)の取り寄せが必要です。
BIGLOBEは、データ通信のみが『口座振替』に対応して、音声通話付きの契約はクレジットカード払いのみでした。
UQモバイルは、担当者とチャットで問合せしたところ、MNP転入契約がWebから口座振替の申請ができて、それ以外の新規契約は店頭であれば口座振替の契約ができるということでした。以下チャットの内容です。
口座振替ができるメリット
iPhone12シリーズが発売され、日本国内の各MVNOの顧客争奪戦はますますヒートアップしています。
そんな中、今回MVNOの中で唯一『口座振替』での支払方法が選択できるゆえのメリットをまとめてみました。
国内にある11社すべてのMVNOそのほとんどが「クレジットカードのみ」の支払いに限定される中、楽天モバイルとOCNモバイルONE、UQモバイル、BIGLOBE、Y!モバイルの5社は、クレジットカード支払い以外に『口座振替』を支払方法として選択することができます。
口座振替ができるメリットとして考えられるのは主に3つ。
- クレジットカードがなくても契約OK
- クレジットカードが嫌いな方も契約OK
- 諸事情でクレジットカードが使えない方も契約OK
1.クレジットカードがなくても契約OK
学生の方がこの対象に当てはなるのではないでしょうか。
高校生や大学生など、学生の立場で『クレジットカードを持つ』ということはとてもハードルが高く、そう簡単にできることではありません。
なので、口座振替で月々の通信料金を支払えるのであれば学生の方でも、銀行口座さえあれば簡単に支払い手続きができます。
中でも手続きが面倒くさくない『楽天モバイル』と『OCNモバイルONE』は、学生にやさしいMVNOなのです。
2.クレジットカードが嫌いな方 OK
出来る限り『現金主義』。という方もいるでしょう。
電子マネーや電子決済で商品を購入することが当たり前の時代、そんな時代であってもクレジットカードでいくら使ったのか心配になる方は、銀行口座から引き落とされる『口座振替』での支払いが一番安心です。
とくに「クレジットカード」を持つこと自体に苦手意識がある年配の方などは、毎月銀行から引き落とされる電気代や水道代と同じ流れで、スマートフォンの通信料金も引き落とされる方が安心かと思います。
中でも手続きが面倒くさくない『楽天モバイル』と『OCNモバイルONE』は、お年寄りにやさしいMVNOなのです。
3.諸事情でクレジットカードが使えない方 OK
クレジットカードを使うことができない、けれどスマホでの連絡手段がないと困る・・・・
そんな時、『楽天モバイル』や『OCNモバイルONE』は一番相応しいMVNOでしょう。
『楽天モバイル』・『OCNモバイルONE』以外のMVNOでは、支払方法が全てクレジットカードでの取り扱いになっているため、クレジットカードの使用ができない方でも問題なく利用することができます。
中でも手続きが面倒くさくない『楽天モバイル』と『OCNモバイルONE』は、人にやさしいMVNOなのです。
口座振替することのデメリット
口座振替はクレジットカード決済をしない人の強い味方ですが、手数料を取られることがデメリットです。口座振替にかかる手数料の金額は、各MVNOによって異なりますが、最低¥100円以上はかかると思って下さい。
まとめ
口座振替ができるMVNOの諸事情をまとめてみました。まとめて分かったことは、口座振替ができるMVNOは主力11社のうち、5社であること。
そしてその中でも、Webで即契約ができるのは『楽天モバイル』と『OCNモバイルONE』の2社だけだということ。他の3社は、店頭での契約であったり、資料請求だったりと、口座振替の契約を結ぶまでの作業が非常に手間であるということ。
もしクレジットカードを使わず『口座振替』の支払方法で契約できるMVNOを探しているのであれば、間違いなく『楽天モバイル』と『OCNモバイルONE』が良いかと思います。
最後までご拝読ありがとうございました。
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