日本では2024年の年末までに発売されることが見込まれているアップルの新製品『Apple Vision Pro（アップル・ビジョン・プロ）』。
米国よりも1年遅れの発売になる日本ではありますが、国内ではすでに多くのメディア、ジャーナリスト、そしてYouTuberはもちろん、AR・MRの市場がにわかに騒々しくなっています。
とはいえ、Apple Vision Proが登場する以前から、
この手のAR・MRのヘッドセットはすでに市場に出回っているので、大半の人はきっと…
そ～なんだ、
アップルもARヘッドセットを販売したんだ～
へぇ～・・・
と感じるくらいでしょう。しかし黙ってられない事件としては、その価格。
50万もするのっ！？
なぜ50万もするのか…
それだけ高い価格設定をしたVision Proという製品で何ができるのか？
気になりますよね！？
ということで、本記事では今注目が集まっているアップルのVision Proについて、
他のAR・MRのヘッドセットでは体験できない、Vision Proならではの体験内容を5つにまとめてみました。
Apple Vision Proで具体的にどんなことができるのか？
どんな体験ができるのか？ 知りたい方は、是非最後までご拝読ください。
Vision Proで体験できる５つのこと
アップルはWWDC2023の基調講演の中で、Vision Proでは以下のような５つの体験ができることを説明しています。
- 映画鑑賞
- ゲーム
- Face timeを使った共同作業
- Macのミラーリング
- 3Dカメラによる空間再現写真・ビデオ
これら５つの内容に関して、分かりやすく解説していきたいと思います。
臨場感あふれる“映画鑑賞”
アップルは、Vision Proで視聴する映画は、“映画館をはるかに超える！”とWWDC2023の基調講演で断言しています。
アップルは、Vision Proで視聴する映画のことを『空間シネマ』と表現しました。
Vision Proで映画を鑑賞する場合、Vision Proは周囲の明るさを自動的に暗くし、映画を視聴する人の周囲だけほのかに照らします。
また映画から聴こえてくる音はすべて「空間オーディオ」により、奥行きのある臨場感あふれるサウンドに変化します。
このような効果、そして音響の演出により、Vision Proをつけるだけで、その空間は自分だけの映画館へと様変わりします。
自分だけの映画館は、飛行機の機内でも簡単に作り出すことができます。
▲機内の座席は見えなくなり、周囲の音も空間オーディオの効果で聴こえなくなります。
さらに、Vision Proでは2Dムービーだけでなく、3Dムービーも楽しむことができます。
WWDC2023では、3Dムービーで動き回る恐竜が目の前まで迫ってくる映像が紹介されました。
また3Dムービーの代表作である「アバター」もVision Proで視聴できるようです。
さらにWWDC2023では、ウォルト・ディズニー社のCEO Bob Iger（ボブ・アイガー）氏によるVision Proを利用したディズニー作品への積極的な取り組みについて発表されました。
ディズニーのボブ・アイガー氏は、初めてVision Proを試したとき、『物語の世界により深く入り込める』ということに驚いたと説明しています。
ディズニーの世界を、もし自分の目の前の世界に持ち込めるとしたら・・・
▲机の上に広がるディズニーの世界。
またボブ・アイガー氏は、ディズニー社が改めてアップルとパートナー契約を締結し、Vision Proの発売と同時に、Vision ProでDisney＋を利用できるようになると宣言しました。
ディズニーのキャラクターが自分の部屋にやってくる！、という夢のような話も、そう遠くない未来に実現できそうな予感がします♪
ゲーム
Vision Proでは、Apple Arcade（アップルアーケード）が提供しているAppゲームを、ゲームコントローラーを用いてプレイすることができます。
このことから、Vision Proは、PlayStation VRのような、ゲームに特化したデバイスとしても活用できそうです。
プレイできるApple Arcade ゲームは、Vision Proの発売と同時に100以上提供される見込みです。
Face Timeを使った共同作業
Apple Vision Proは、映画鑑賞やゲーム、そして空間再現写真のようなエンターテイメント性が高い分野だけでなく、「仕事」の場面でも活かすことができます。
WWDC2023では、Face Timeを使って、Vision Proを装着しているユーザーが、空間に浮かび上がった資料で、離れた場所にいる職場のチームメンバーと共有するシーンが映し出されました。
この場合、自分はVision Proを装着しているため、自分の目元が相手に見えません。
そこで、アップルはVision Proを使って、自分の“デジタル・ペルソナ”を作り出すことに成功しました。
デジタル・ペルソナについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください♪
さて、仕事の場面でVision Proを使うと、効率よく仕事がはかどる場面があります。
例えば、MacBookの小さなディスプレイを見ながらの作業。EメールやExcel、Word、PowerPointなど。
Vision Proを使えば、目の前の空間そのものがディスプレイと化します。
空間に浮かべた巨大なMacのスクリーンを見ながら、メールなどの文字入力はもちろん、Keynoteや、Excel、Word、PowerPointなどのアプリケーションソフトを使って資料作成を行うことができます。
文字を入力する際は、アップル純正のBluetoothアクセサリ「Magic Trackpad」や「Magic Keyboard」を使って行うことができますし、バーチャルキーボードや音声入力を使うことだってできます。
Macのミラーリング
上記の章で解説した内容と重複してしまいますが、Vision ProではMacのディスプレイを空間に浮かべることができます。
WWDC2023では、Apple Vision Proを装着し、Macのマシーンを見つめるだけで、Macのディスプレイに表示されている画面を空間に複数浮かべるシーンがありました。
さらに、空間に浮かんだMacの画面の間から、操作中でも周囲の人とのやりとりが問題なくできることも強調されていました。
一般的なAR・MRのヘッドセット製品では、操作中に周囲の世界と関わることはできません。
操作中に周囲と関係を保てるのは
Apple Vision Proだけだよ！
狭いPCの限られた枠組みに捕らわれることなく、複数の画面を目の前の空間をフィールドとして閲覧し、作業スペースとして使うことができるのは、Vision Proだけなんです。
3D写真、3Dビデオの撮影
WWDC2023の基調講演の中で、Vision Proには「空間再現写真」、「空間再現ビデオ」と言われる、他のVR・AR・MRの製品では体験できない、新しい機能があることが説明されました。
いわゆる3Dで撮影できる写真とビデオのことです。
以下はWWDC2023で披露された「空間再現写真」と「空間再現ビデオ」の様子です。
“大切な思い出を振り返る”
Vision Proでは、iPhoneやiPadのカメラで撮影した写真やビデオを空間に浮かべて観たり、視聴したりすることができます。
写真やビデオを選択すると、その周囲が薄暗くなる演出が行われ、より写真やビデオに対する没入感が強まります。
▲ペットとの懐かしい写真もご覧のとおり。
Vision Proなら空間に大きく浮かべて思い出に浸ることができます。
▲幼いころのお子さんの写真も、ディスプレイという枠にとらわれず、目の前の大きな巨大空間スクリーンで名懐かしむことができます。
さらに写真のズーム（拡大）もできます。
iPhoneやiPadで撮影した写真がパノラマであれば、ご覧のとおり。さらに迫力のある映像としてVision Proを通して堪能することができます。
▼さらにパノラマ写真は、デジタル・クラウンを回すだけで、実物のようなスケールに拡大することができるので…
撮影したその場所に、まるで自分が実際に立っているように感じることができます。
ここまでは、単にiPhoneやiPadで撮影した写真やビデオを、空間に浮かべて、引き伸ばしたり、拡大したりする内容です。
ところが、これだけでVision Proは終わらない。
Apple Vision Proでは、3D写真、3Dビデオを撮影することができます。
Vision Proで撮影できる3D写真のことを『空間再現写真』、
3Dビデオでは『空間再現ビデオ』とアップルは表現しています。
空間再現写真・ビデオは、Vision Proに備わっている撮影ボタンを押すことで、簡単に撮ることが可能です。
詳しくはこちら
撮影した空間再現写真、そして空間再現ビデオの体験は、WWDC2023にて、多くのジャーナリストが最も感動し、衝撃を受けた体験として、各方面の体験者の方々が絶賛されています。
Vision Proによる空間再現写真、そして空間再現ビデオの体験談の多くは、
空間再現ビデオのサンプルとして、家族で子どもの誕生日を祝うシーンにて、子どもが吹き消したケーキのろうそくのく揺れる煙を、すぐ目の前で感じることができた！
と感動されています。
そのシーンは、WWDC2023の1:35:53のタイミングで、確認することができます。
▲空間再現ビデオの体験シーン。
このような５つの体験を味わうことができる『Vision Pro（ビジョン・プロ）』は、アップルの将来だけでなく、世界のAR・MRの未来を切り開くデバイスと言い切れる製品です。
とはいえ、日本円にして約50万円もするApple Vision Pro。
価格だけが先行している状況の中、果たして「誰が買うの？ メリットは？」という声が早くも聞こえてきそうです。
本ブログでは、日本で発売される前のApple Vision Proの動向を、最新情報とともにお伝えしていければと考えています。
まとめ
Apple Vision Pro（ビジョン・プロ）で一体どんなことができるのか？体験できるのか？、知りたい方へ向けて、本記事ではVision Proでしか体験できないことを５つにまとめてみました。
注目されているApple Vision Proがなぜ50万もするのか、それだけの価値があるのか、そこには他のAR・MR製品にはない、思い出の瞬間を何度でも味わえる『空間再現写真』、『空間再現ビデオ』という機能が備わっていました。
本ブログでは、今後のVision Proの動向について、分かりやすく解説していく予定ですので、チェック頂けると幸いです。
最期までご拝読頂き
ありがとうございました！
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